夫婦関係を円滑にするためにはセックスも含めたコミュニケーションが重要です。しかし、夫婦によってはセックスレスの状態にあります。セックスレスを放置していると夫婦関係に悪影響が及ぶため、適切な解消法を把握しておきましょう。
この記事ではセックスレスになる理由や離婚につながる可能性などを解説します。
セックスレスの定義

セックスレスとは、一般的に夫婦や恋人同士で一定期間、性的な関係がない状態を指します。具体的な期間に定義はなく、夫婦それぞれの感覚や関係性によって異なりますが、一般的には、1ヵ月以上性行為がない場合をセックスレスとみなすことが多いです。
セックスレスが長期化すると、夫婦間での絆が薄れたり、感情的な距離が広がったりすることがあります。特に、結婚生活が長くなるにつれて、この問題は深刻化する傾向があります。
セックスレスが続くことで、夫婦関係が崩壊し、最終的には離婚に至る恐れがあります。しかし、セックスレスは単なる性行為の問題ではなく、夫婦のコミュニケーションや信頼関係に関わる根本的な問題が隠れている可能性があります。そのため、セックスレスを解消するためには、問題を正面から見つめ直し、夫婦のコミュニケーションや関係性を改善する努力が必要です。
結婚1~3年目でセックスレスになる割合が多い
マッチングアプリ情報メディア『ふくむすび』が実施した調査によれば、セックスレスは結婚1~3年目に陥るケースが多いという結果が出ています。(※1)
結婚1~3年目の期間は、一般的な新婚生活が終わり、現実的な問題に直面する時期でもあります。例えば、仕事の忙しさや育児の負担などが重なり、性生活に対する余裕がなくなることが多く、結果的にセックスレスの状態が続くことがあります。
また、結婚して日常生活に慣れ始め、性的な欲求が薄れることもあります。特に、初めは新しいパートナーとの関係に刺激を感じていたが、時間が経つにつれてその刺激が薄れ、セックスが自然と減少するケースも多いでしょう。このような状況が続くと、セックスレスの問題が深刻化し、夫婦間のコミュニケーション不足や感情の距離が広がり、最終的には離婚を考えるような状況に陥ることもあります。
セックスレスになる主な4つの原因
セックスレスになってしまう主な理由は次のとおりです。
- 仕事や育児の疲れ
- コミュニケーション不足
- マンネリ化
- 加齢による精力の低下
仕事や育児の疲れ

セックスレスの主な原因のひとつとして、仕事や育児の疲れがあります。特に共働きの家庭や育児に忙しい家庭では、日々の疲れが積もり、性欲が低下しかねません。夫婦は仕事でのプレッシャーや長時間の労働に加えて、家事や育児の負担も背負っています。このような責任を分担し合いながら生活していると、性行為に対してのエネルギーや時間がなくなってしまうことがあります。
また、育児に関わっている場合、子どもの世話に追われ、精神的にも肉体的にも疲れ果ててしまい、夫婦間のコミュニケーションが後回しになりかねません。女性の場合、育児や家事で自分自身をケアする時間もないため、性欲が自然に低下することがあります。
コミュニケーション不足
セックスレスの大きな原因としてコミュニケーション不足が挙げられます。結婚生活が長くなるにつれて、夫婦間の会話が減少し、性的な欲求についてもお互いに話すことが少なくなってしまうでしょう。コミュニケーションが不足すると、相手の考えていることや気持ちを理解することが難しくなり、セックスに対する考え方や欲求にズレが生じてしまうことがあります。
マンネリ化
結婚生活が長くなると、性生活がマンネリ化することもセックスレスの原因となります。最初は新鮮で刺激的だった性生活も、年月が経つにつれて定番化し、次第に情熱が薄れていきます。マンネリ化が進むと、セックスに対する興味や魅力が失われ、夫婦の間で性的な関係を持つことがなくなってしまうことがあるでしょう。
また、毎回同じパターンのセックスを繰り返していると、自然とその行為に対する興味が薄れていきます。セックスが義務感で行われるようになり、肉体的な接触を避けるようになってしまうことがあります。
加齢による精力の低下
加齢による体力や精力の低下も、セックスレスの原因のひとつです。特に40代を過ぎた夫婦にとって、体力的な変化が性行為に対する関心に影響を与えることがあります。男性の場合、性欲の減少や勃起不全などの問題が表れやすく、女性も更年期に差し掛かるとホルモンの変化によって性欲が低下することがあります。このような生理的な変化により、性生活が次第に減少し、セックスレスになりかねません。
セックスレスは離婚の原因になる

セックスレスが長期化すると、夫婦関係に大きな影響を及ぼし、最終的に離婚を引き起こす原因になることがあります。性行為は夫婦間での親密さを深める重要な要素であり、その欠如はその他の関係にまで影響を与えます。そのため、セックスレスを解消しない限り、夫婦関係の修復は難しくなることがほとんどです。
セックスレスで離婚をした人の割合は25.2%%
マッチングアプリ情報メディア『ふくむすび』の調査によれば、実際にセックスレスが原因で離婚した人の割合は高く、調査によると25.2%もの夫婦がセックスレスを理由に離婚を決断したと報告されています。(※1)
このように性生活に不満を感じている状態が長期化すると、お互いのコミュニケーションが減り、関係性が疎遠になる傾向があります。
セックスレスの問題は一度発生すると、解決に時間がかかり、互いに歩み寄ることが難しくなってしまいます。セックスレスを解消するための努力が不足している場合、そのまま離婚に至る可能性が高くなるでしょう。
セックスレスで離婚を考えたことのある人の割合は39.7%
セックスレスが原因で離婚を考えたことがある人の割合は、実際に離婚した人よりも多い傾向にあります。マッチングアプリ情報メディア『ふくむすび』の調査によると、39.7%もの既婚者がセックスレスを理由に離婚を真剣に考えたことがあると報告しています。(※1)セックスレスが長期間続くことで、夫婦間での感情的なつながりが薄れ、最終的には「離婚すべきかもしれない」と考えてしまうでしょう。
セックスレスが離婚の原因になるケース
セックスレスが長期間続くことは、夫婦間における信頼関係や愛情に大きな影響を与えることが多いです。性生活が満たされないことにより、夫婦間で不満が蓄積し、最終的には離婚を考えるようになることがあります。
ここではセックスレスが離婚の原因になるケースについて解説します。
夫婦どちらかが拒絶している

セックスレスが離婚の原因となるのは、夫婦どちらかが意図的に性的関係を拒絶している場合です。例えば若い夫婦のうち、どちらかが相手との性的関係を拒否している場合、拒否された側はセックスレスを理由に離婚を申し立てることが可能です。
不貞をしている
夫婦のうちどちらかが、他の異性と不貞(不倫)をしてることもあるでしょう。不貞をしている場合、配偶者と性的関係を持つことやコミュニケーションを嫌がることがあります。この場合はセックスレスを理由とせずとも、不貞を理由に離婚の申し立てが認められます。
不貞行為をしている側からの離婚は認められない
不貞が理由で離婚する場合、不貞行為をしている側が離婚を申し立てることがあるでしょう。例えば不倫相手と再婚したいからといって、さまざまな理由をつけて離婚を申し立てるケースが考えられます。
しかし、不貞行為をしている側は、離婚原因を作った有責配偶者として扱われるため、離婚の申し立ては原則として認められません。
セックスレスが原因で離婚にならないケース
セックスレスは必ずしも離婚の原因となるわけではありません。次のようなケースではセックスレスが離婚の原因と認められない可能性があります。
- セックスレスの原因が病気
- 双方が同意している
セックスレスの原因が病気

セックスレスが続く原因が病気である場合、離婚に至らないことがあります。例えば、パートナーの一方が心臓病やうつ病などを発症している場合、性生活を満足に送れない、もしくは欲求が低下することがあります。病気が原因で性行為ができない場合、セックスレスは離婚の理由にならないでしょう。
双方が同意している
セックスレスが続いているものの、夫婦双方がその状態に満足し、特に問題と感じていない場合も、離婚には至りません。性生活に対する考え方や欲求は人それぞれ異なります。なかには、セックスレスの状態でもお互いに特に不満を感じていないカップルもあります。例えば、年齢を重ねてお互いに性生活に対する興味が薄れ、セックスレスであることに対してお互いが納得している場合、この状態が長く続くことがあります。
セックスレスを解消する方法
セックスレスで悩んでいる場合は次のような方法で解消につなげましょう。
- 2人で話し合う
- 恥ずかしいという気持ちを捨てる
- 2人でデートをしてみる
- カウンセリングを受けてみる
2人で話し合う
セックスレスを解消するための第一歩は、夫婦でしっかりと話し合うことです。性生活について話すことは恥ずかしいと感じるかもしれませんが、問題を放置しておくことが最も危険です。お互いがどのように感じているのか、何が問題となっているのかを正直に話し合うことで、関係の改善に向けた第一歩を踏み出せます。
話し合いでは、相手を責めるのではなく、互いの感情を尊重しながら、解決策を見つけることが大切です。セックスレスの原因が生活の忙しさやストレスにある場合、それをどう解消するかを共に考えることが必要です。
また、性生活だけでなく、日常生活でのコミュニケーションや感情的なサポートも重要な要素です。お互いの不満をぶつけ合うのではなく、改善策を話し合うことで、信頼関係を再構築することが可能になります。
恥ずかしいという気持ちを捨てる
セックスレスに関する問題を解決するには、恥ずかしさや遠慮を捨てることが重要です。性に対する価値観や感覚は人それぞれ異なります。パートナーがどのように感じているのか、何を望んでいるのかを知ることで、より良い関係を築けます。自分の欲求や不安を伝えることは決して恥ずかしいことではなく、逆に夫婦の絆を深めるために必要なことです。お互いがオープンで正直な関係を築くことで、セックスレスの解消が進みます。
2人でデートをしてみる

セックスレスの原因として、日常生活でのマンネリ化やお互いに対する興味の薄れが挙げられます。日常生活に忙しく追われていると、夫婦間でのデートやリラックスした時間を過ごすことがなくなり、性生活にも影響を及ぼすでしょう。
そのため、セックスレスを解消するためには、改めてデートの時間を作ることが有効です。デートをすることで、相手に対する新たな魅力を再発見したり、親密さを取り戻したりすることができます。普段の生活から一歩外に出て、2人だけの時間を作ることで、関係に新鮮さを取り戻すことができるでしょう。映画を見たり、食事を楽しんだりすることで、自然とコミュニケーションが生まれ、心の距離が縮まることがあります。
カウンセリングを受けてみる
セックスレスが続く場合、専門家のサポートを受けることもひとつの方法です。カウンセリングを受けることで、問題を客観的に見つめ直し、改善のための具体的なアドバイスを得ることができます。夫婦間のコミュニケーションがうまくいかない場合や、性に関する問題が深刻化している場合、カウンセラーが中立的な立場で問題を整理し、解決策を提案してくれるでしょう。
カウンセリングでは、性の問題に限らず、夫婦間での信頼関係やコミュニケーションの改善にもつながります。お互いの価値観を理解し、無理なく関係を改善するための手助けをしてくれます。
セックスレスになる理由を把握して適切に解消しよう
セックスレスになる理由は仕事や育児の疲れやコミュニケーション不足などです。セックスレスは離婚の理由になるため、パートナーから離婚を言い渡される恐れがあります。そのため、適切な方法でセックスレスを解消しましょう。
具体的には2人で話し合う、恥ずかしいという気持ちを捨てる、2人でデートをしてみるなどの方法が有効です。セックスレスで悩んでいる場合は放置せず、解消に取り組んでいきましょう。
(※1)株式会社Liam「セックスレスの離婚率はどのくらい?夫婦のセックスレスについてアンケート調査」