家族や友人、知人など、普段連絡が取れている人と突然連絡が取れなくなったとき、焦りや不安から何度もメールや電話をしてしまうものです。
しかし、こういった行動は逆効果になる場合があるので控えましょう。
まずは周囲の人達に連絡の有無や近況について確認し、緊急性があるかどうかを判断して行動することが大切です。
本記事では、連絡が取れない相手に対する安否確認方法について、ケースに応じて詳しく解説します。
連絡が取れなくなったときの安否確認で取るべき7つの行動
安否確認をする場合は、緊急事態を想定して動かなければなりません。 仮に危険な状態であれば一刻も早い対処が必要です。
以下で手順を紹介します。
1. 共通の知人に連絡する
まず連絡が途絶えた相手と共通の知人に連絡しましょう。連絡が途絶えた相手が他の人とは連絡を取っている可能性があるからです。
また、携帯電話の故障や紛失が原因の可能性もありますので、携帯電話に何らかのトラブルが発生しただけでも連絡が途絶えてしまうことが考えられます。
その場合は、相手が通う学校や会社にも連絡を取ってみましょう。
2. 連絡が取れなくなった人の近況を確認する
次は、できる範囲で相手の近況を確認しましょう。
- 病気はないか?体調不良ではないか?
- 仕事の人間関係や金銭の悩みはないか?
- 恋愛や結婚でトラブルはなかったか?
- 最近の言動におかしなことはなかったか?
- 1人で危険な場所や危険なレジャーやスポーツに出かけていないか?
相手の近況を踏まえ、連絡が取れない原因を絞り込んでいきます。
災害や事故に巻き込まれている可能性もあるため、相手の生活圏内のニュースをチェックすることも大切です。
災害用伝言ダイヤルを確認する
もし相手が災害に巻き込まれている場合、携帯電話が繋がりにくくなっていることが考えられます。
その場合、災害用伝言ダイヤルを利用している可能性があるため、電話番号「171」にかけて伝言が入っていないか確認しましょう。
伝言が入っていない場合は、こちらからメッセージを録音しておくと良いでしょう。連絡をとりたい相手の電話番号を登録しておくと便利です。
3. 生活状況を調べて緊急事態かどうかを判断する
複数の人がメールや電話を送っても返事がない場合は、緊急事態の可能性が高くなります。
連絡が取れない相手の動向は2つに分かれます。
- 家にいる
- 家以外の場所にいる
また家にいる場合は、2つの可能性が考えられます。
- 病気や怪我で身動きが取れない
- 既に死亡している
緊急でない場合の安否確認は警察相談専用電話「♯9110」番、もしくは最寄りの警察に相談しましょう。
全国の警察署と連携し、遠方で直接確認できない家族の安否確認を行ってくれます。
周囲に全く頼れる連絡網がない場合は探偵に安否確認を依頼しよう
ここまでの段階で状況が把握できない場合は、次の3つが原因の可能性が高いでしょう。
- 連絡が取れない相手との連絡手段が限定されている(電話のみ、メールのみなど)
- 連絡が取れない相手の仕事や学校、友人関係など、身の回りの情報を把握しきれていない
- 日頃の備えとして万が一のときの連絡手段を用意していない
連絡が取れなくなり、自力で安否確認ができない場合は、探偵に依頼するのをおすすめします。
事件や事故に巻き込まれたなど緊急性がない場合でも、探偵であれば依頼後すぐに調査を開始してくれます。
4. 緊急度合いに応じて警察に連絡する
事件や事故に巻き込まれた可能性、または自殺の可能性が高い場合は、110番に連絡しましょう。
山岳事故は110番で対応しています。海上事故の場合は118番に連絡し、海上保安庁に救助・捜索を依頼します。
5. 自宅に行って確認する
自宅に行き安否確認する場合は、まず郵便ポストを確認しましょう。
郵便物や広告が大量に放置されている様子なら家に何日も帰宅していない、またはポストを確認できる状態ではない可能性が高いでしょう。
自宅の玄関前に着いたら、チャイムを鳴らしたりドアをノックしたりして声かけします。
何かの事情で居留守を使っているケースもあります。声かけをしても出ない場合は、反応がなくてもしばらく様子を見てください。
6. 死亡している可能性がある場合は警察の立会いの元で室内を確認
室内で倒れている、もしくは死亡している可能性がある場合は、家族か大家に頼んで合鍵で部屋を開けてもらいましょう。
もし家族が合鍵を持っていない、または第三者が部屋の中に入る場合は、鍵業者に合鍵を作ってもらい室内を確認してください。
部屋に入るときは、警察に立ち会ってもらいましょう。なぜなら、個人で部屋に入って中で人が死亡している場合、第一発見者になってしまうからです。
また、部屋の住人でない他人が許可を得ないで部屋に入ると、管理会社の人から不法侵入で訴えられる可能性があります。
警察の立会いは規則ではありませんが、さまざまな事情により立ち会ってもらい鍵を開けた方が無難です。
万が一、部屋の中で相手が倒れていた場合は、意識や呼吸があるかを確認し、その後は相手の状態や状況に合わせて警察に対処してもらいます。
7. どうしても安否確認できない場合は警察に行方不明者届を提出
部屋の中に誰もおらず、相手の安否を確認できない場合は、警察に行方不明者届を提出しましょう。
行方不明者が下記の条件のうち1つでも該当する場合は、「特異行方不明者」として警察の調査対象となります。(※1)
- 事件・事故に巻き込まれている
- 未成年
- 高齢者で認知症などの症状がある
- 精神疾患がある
- 自殺の可能性がある
特異行方不明者に該当しない場合は、民事不介入の原則によって警察は捜索できません。
しかし、受理された行方不明者届は、全国の警察の行方不明者リストに登録されます。
目撃情報があれば家族の元に連絡が来るので、特異行方不明者に該当しない場合でも必ず提出しておきましょう。
(※1)e-Gov法令検索:行方不明者発見活動に関する規則 第二条「定義」
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=421M60400000013#Mp-At_2
連絡が取れない相手の安否確認を自力でしなくてはいけないケース
次のようなケースは、警察に行方不明者届を提出しても積極的に調査してもらえないことが多いでしょう。
- 恋愛関係のトラブル(駆け落ち・または相手からの逃走)
- 家族関係のトラブル(DV・モラハラ・ネグレクト)
- 仕事関係のトラブル(借金・パワハラからの脱出・責任放棄)
- カルト教団など反社団体への加入
「事件性がないので警察は動いてくれない、でもなんとか安否を確認したい」という場合は、自分で行動しなければなりません。
残された証拠や周辺の人からの聞き込みで失踪原因を探るなど、人探しの方法はさまざまですが、大変な時間と労力がかかります。
理由はともかく、失踪者は他人に言えない隠れた事情を抱えていたはずです。少ない情報を元に一般の人がそれを推測するのは困難でしょう。
一方、プロの探偵は失踪者が残した証拠を調べて、失踪者がなぜ消えたのか、どこにいるのかを割り出せます。
そのうえ、失踪者の潜伏する場所の知見を持っており、迅速に発見できます。
隠しごとが多かったパートナーが突然いなくなった場合は居場所の特定が難しい
連絡が取れず、居場所がわからない人探しで難易度が高いケースとして代表的なのが、パートナーの情報が極端に少ない場合です。
夫婦または夫婦同然の間柄だったにも関わらず、親や兄弟、高湯関係についてきちんと把握していなかった、勤めている会社も嘘だったなど、パートナーについてほとんど教えてもらっていなかったという場合は、相手が意図的に連絡を断った可能性があります。
このようなケースでは、仮に居場所が特定できたとしても、再び元の関係に戻るのは難しいでしょう。
結婚詐欺、恋愛詐欺の可能性もあるため、お金を貸していた、家から高価なものが持ち出されているなどの覚えがある場合は警察に相談しましょう。
1人暮らしの高齢者の安否確認と連絡が途絶えないための対策
体調が急変しやすく、つまずきや軽い転倒でも大怪我につながることが多い高齢者の1人暮らしは、家族とって心配がつきない問題です。
やむを得ず同居ができない、遠方のためこまめに様子を見に行くことができない場合は、いざというときのために事前の目配りをしておくことが大切です。
電話の置き場所や呼び出し音の音量に気をつける
高齢者のひとり暮らしで注意したいのは、電話の呼び出し音です。本人の耳に届くように電話の呼び出し音量に配慮しましょう。
高齢になるにつれて、若いときには想像がつかないほど耳が遠くなります。
そのため、電話の音量が小さく、電話本人の居場所から遠いと呼び出し音が鳴っていても気がつかない場合があるのです。
また、コードレス電話では、充電台の接地部分がズレていて、本人も知らずに充電できていないことがあります。
充電切れで連絡が取れないのを防ぐためにも、高齢者のひとり暮らしではコード付き固定電話設置がおすすめです。
安否確認が必要な高齢者は周辺の人に様子を見てもらう
突然の体調不良や怪我など、ひとり暮らしの高齢者が電話に出られなかったり、メールやLINEが打てなくなったときのために、本人以外に複数の連絡網を確保しておくことが大切です。周囲に住む人に事情を説明し、こまめに様子を見てもらいましょう。
また、自治体の福祉課にもお願いしておくと安心です。自治体の福祉課に問い合わせると、地域の民生委員を紹介してもらえます。
民生委員は厚生労働大臣から地域に根ざした福祉活動を行う職業で、高齢者の見守りも義務の1つです。さらに自治体によっては、高齢者のための独自の見守りサービスに取り組んでいます。
安否確認が必要な高齢者がいる場合は、本人が住まう自治体にあるサービスを調べて申し込んでください。
見守り的アイテムを持たせる
最近では、1人暮らしの高齢者に役立つさまざまな見守りアイテムが販売されています。
- 見守りスマホ
- GPS発信機
- 見守りカメラ
- 見守りアプリ
スマホやGPS発信機は、本人が常に身につけることでいつでも現在位置を確認できます。
相手が持ち歩くのを忘れたり、置き忘れたりすると機能しなくなるため注意が必要です。
購入の際は一定の通信費が必要になるので、使う用途を考えて検討しましょう。
見守りカメラは本来、小さい子供やペットを見守るためのアイテムです。
部屋に据え置きするセンサーカメラで、部屋の中の様子がスマホアプリの画面に転送されます。
本来部屋の中にいなければならない時間帯なのに、長時間画面に映らないといった場合に異変を察知できます。家で使用するだけなので通信費はかかりませんが、Wi-Fi環境が必要です。
高齢者によっては四六時中監視されるのを嫌がる場合もあるかもしれません。導入する際はきちんと了承を得てからにしましょう。
数ある見守りアイテムの中で、見守りアプリが一番実用的です。
ピースサイン=Peace Signというアプリは、見守る側と見守られる側のスマホにインストールするだけ利用可能です。
月額500円(税込)で高齢者から1日1回、今日の様子が届きます。
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ピースサインでは、1人の高齢者を最大4人で見守りできるので、異変を逃しにくくなるのです。
料金も手頃で監視もきつくないので、見守る側、見守られる側両方に無理がなく長続きするのもメリットです。
警備会社の駆けつけサービスを利用する
緊急事態が起きたときに駆けつけてくれるのが、各警備会社の見守りサポートです。
防犯だけでなく、体調が悪くなったときでもボタン1つで駆けつけてくれます。料金は平均月額1500円からで、セキュリティーサービスとしては格安です。
しかし、警備会社の見守りサポートはあくまで「見守りのみ」になりますので、緊急事態のときには間に合わないということを踏まえてサービスの利用を検討しましょう。
安否確認の手順を踏んでも分からないなら探偵に依頼しよう
今回は、急に連絡が途絶えてしまった相手の安否確認の方法をお伝えしました。
- 連絡が途絶えた相手の周辺と連絡を取る
- 相手の状況を把握する緊急性があるようだったら警察に連絡する
- 安否確認する
連絡が途絶えてしまうのは、日頃からの万が一のときの準備不足が原因です。
- 連絡手段を複数持つ
- 本人の周辺との連絡網を持つ
- 見守りシステムを利用する
以上のような準備をすることで、連絡が途絶えるのを防げます。
それでも緊急の安否確認が必要な場合は、探偵事務所へ人探しの相談をおすすめします。
アイヴィサービスでは、年間2万件の相談を受けております。家族や知人の安否確認、居場所の特定をご希望の際は、ぜひご相談ください。