配偶者が不倫している場合、不倫相手が独身とは限りません。既婚者と不倫している可能性もあります。
既婚者同士の不倫はダブル不倫と呼ばれています。不倫関係にある2人がどちらも既婚者である場合、誰に慰謝料を請求するのでしょうか。
この記事では配偶者がダブル不倫をしていた際の慰謝料請求先や請求方法、相場などを解説します。
ダブル不倫の慰謝料を請求する相手は?
一般的な不倫の場合、自分の配偶者だけでなく不倫相手に慰謝料を請求可能です。ダブル不倫であっても同様に配偶者、不倫相手に対して慰謝料を請求できます。
しかし、注意すべきなのがダブル不倫は不倫相手にも配偶者がいるという点です。そのため、相手の配偶者から自分の配偶者が慰謝料を請求される可能性があります。
ダブル不倫で不利になるケース
ダブル不倫は一方の配偶者だけが慰謝料を請求できるわけではありません。双方の配偶者が慰謝料を請求可能です。
双方で慰謝料を請求しあった場合、状況によっては不利になる可能性があります。具体的には次のようなケースが慰謝料請求で不利になると考えられています。
- 相手夫婦の方が婚姻期間が長期
- 不倫を主導したのが自分の配偶者
- 不倫前から夫婦関係が破綻
このようなケースではダブル不倫であっても、慰謝料を請求できない可能性があるので注意が必要です。
相手の配偶者に知られず慰謝料の請求は可能
配偶者がダブル不倫していた場合、不倫相手の配偶者に気づかれずに慰謝料を請求することも可能です。
不倫相手に対して、不倫のことを配偶者に伝えないようにするといった条件を設けることで、相手の配偶者に知られず慰謝料を請求できる可能性があります。
不倫の慰謝料はある程度の費用が発生します。そのため、不倫相手が配偶者に慰謝料請求について話さないというのは難しいでしょう。
ダブル不倫の慰謝料相場
ダブル不倫における慰謝料の相場は配偶者と離婚するケース、離婚しないケースで相場が異なる傾向にあります。
一般的に慰謝料は配偶者と離婚するケースが高くなると考えられています。
しかし、ダブル不倫においては慰謝料の請求が取り下げになるケースもあります。
どちらの夫婦も慰謝料を請求することで請求が相殺されるため、そもそも請求しないもしくは請求しても支払が発生しないこともあります。
配偶者と離婚するケース
ダブル不倫によって配偶者と離婚するケースでの慰謝料相場は約200万円です。
慰謝料は慰謝料を請求する相手の収入や子どもの有無、婚姻期間、さらには不倫をしていた期間によって差が生まれます。
例えば何十年も不倫関係が続いていたのであれば、慰謝料が相場を超える額になることも考えられます。
配偶者と離婚しないケース
不倫をした配偶者と離婚しない場合であっても、慰謝料は請求可能です。配偶者と離婚しないケースでは慰謝料は50万円~100万円ほどと、離婚するケースよりも低くなるのが一般的です。配偶者と離婚しないケースであっても婚姻期間や子供の有無などによって慰謝料は変動します。
例えば、不倫が発生する前から夫婦関係が破綻していたという状況では、慰謝料が低くなる可能性があるでしょう。
ダブル不倫の慰謝料が高くなるケース
ダブル不倫の慰謝料が高くなるケースは次のとおりです。
- ダブル不倫の期間や頻度が長い
- 精神・肉体的な苦痛が大きい
- 婚姻期間が長い
- 不倫の主導者ではなかった
- 夫婦関係が円満だった
- 子供がいる
このような条件に当てはまる場合は、慰謝料が相場よりも高くなる可能性があります。
ダブル不倫の期間や頻度が長い
ダブル不倫をしている期間が長く、不貞行為の頻度が多いと慰謝料が高くなるのが一般的です。不貞行為が1回であっても慰謝料は請求できます。
しかし、頻度が短く不貞行為が少ないとなると、数十万円の慰謝料しか請求できない可能性があります。
一方、ダブル不倫の期間、頻度が多いと慰謝料は高くなる傾向にあります。
精神・肉体的な苦痛が大きい
ダブル不倫によって精神もしくは肉体的な苦痛があったかどうかも慰謝料に関係するポイントです。
配偶者の不倫によって、うつ病やストレスによって病気を引き起こしたのであれば、慰謝料は相場を上回る可能性があります。
精神的、肉体的な苦痛によって慰謝料を高くするには、医師による診断を受けることが大切です。
婚姻期間が長い
一般的に婚姻期間が長いと慰謝料は高くなります。例えば、30年以上の婚姻期間では相場を大きく超える慰謝料を請求できるかもしれません。
一方、婚姻期間が10年に満たないのであれば、慰謝料が10万円を下回ってしまう可能性もあります。
不倫の主導者ではなかった
ダブル不倫を主導したのが自身の配偶者でなければ、慰謝料は高くなります。
反対に自身の配偶者がダブル不倫を主導しているのであれば、慰謝料を請求できないだけでなく、多額の慰謝料を請求されかねません。
例えば配偶者が、不倫相手が嫌がっていたのに関係を持とうとしたといったケースでは不倫の主導者とみなされる可能性があります。
一方、配偶者が不倫に消極的だった場合は多くの慰謝料を請求可能です。
夫婦関係が円満だった
夫婦関係が円満だったのに関わらずダブル不倫をされると、多くの慰謝料を請求可能です。一方、夫婦関係がすでに破綻していたのであれば、ダブル不倫の影響はなかったと判断され、慰謝料が低くなる、もしくは慰謝料の請求が認められない可能性があります。
子供がいる
子供がいるかどうかも慰謝料の額を左右する要素です。
一般的に子供がいる場合、ダブル不倫による精神的な苦痛が大きくなると考えられるため、慰謝料は高くなります。
また、子供が低年齢だったり多かったりした場合も慰謝料の増加が考えられるでしょう。
ダブル不倫で慰謝料を請求するには?
ダブル不倫で慰謝料を請求するには、次のような方法を取るのが一般的です。
- 当事者で話し合う
- 内容証明郵便を送る
- 調停や裁判で請求する
当事者で話し合う
慰謝料を請求するにあたっては、最初に当事者で話し合いましょう。自分の配偶者や不倫相手にいくらの慰謝料を請求するのかを伝えて、話し合います。
話し合いは直接顔を合わせる必要はありません。メールや各種メッセージなど記録が残るツールで伝えることも可能です。
内容証明郵便で伝える
自分の配偶者や不倫相手が慰謝料請求に応じない可能性があります。相手が慰謝料請求に応じないのであれば、内容証明郵便を送りましょう。
内容証明郵便であれば、いつ、誰に、どのような内容の文書を送ったのかが謄本として証明できます。
内容証明郵便を送る際は480円が加算料金として必要です。内容証明郵便であれば文書の内容だけでなく、配達日も証明可能です。
内容証明郵便を送ることで、相手に心理的なプレッシャーを与えられます。
内容証明郵便を送る理由は、相手が慰謝料請求に応じていないためです。
なかには、内容証明郵便に心理的なプレッシャーを感じない人もいるでしょう。そのため、内容証明郵便を送ったとしても慰謝料請求に応じない可能性があります。
その後の裁判を考慮して、弁護士に内容証明郵便の文面を作成してもらいましょう。
調停や裁判で請求する
慰謝料について当事者間でまとまらなかった場合、調停や裁判で請求することになります。調停や裁判で慰謝料を請求するには弁護士への依頼が一般的です。
ダブル不倫の慰謝料請求にあたっての調停や裁判を弁護士に依頼する場合、費用の相場は次のとおりです。(※1)
- 調停:40万円~60万円(着手金+報酬金)
- 訴訟から受任:40万円~60万円(着手金+報酬金)
ダブル不倫の慰謝料について訴訟を起こした場合、判決によって慰謝料の額が決定します。慰謝料請求の裁判では、裁判所から和解案が提示されることがあります。双方が和解案に合意した場合、慰謝料が決定します。
(※1)日本弁護士連合会:市民のための弁護士報酬ガイド(P3)
https://www.nichibenren.or.jp/library/ja/attorneys_fee/data/guide.pdf
ダブル不倫の慰謝料請求は証拠が必要
慰謝料を請求するには、不貞行為を裏付ける証拠が必要です。証拠がなければ慰謝料の請求が認められない可能性があります。
ダブル不倫の事実を裏付けるのは次のような証拠です。
- 性交渉している写真や動画
- ホテルに入退室する写真や動画
- 性交渉を思わせるメッセージ
自分の配偶者が不倫相手と食事をしているといったような写真や動画では、不倫の事実を裏付けることはできません。
第三者が見ても、不貞行為(肉体関係)があったと判断できる具体的な証拠を集める必要があります。
ダブル不倫の証拠集めは探偵に依頼
ダブル不倫の証拠は自分で集めることが可能です。しかし、自分で証拠を集めようとするとさまざまなリスクがともないます。
例えば、自分でダブル不倫の証拠を集めようとしても配偶者や不倫相手に気づかれるかもしれません。
証拠集めに気づかれてしまっては、本人たちが警戒してしまい、その後証拠を集められない可能性があります。
自分で証拠集めをするリスクを回避するためには、探偵に証拠集めを依頼しましょう。
探偵にダブル不倫の証拠集めを依頼すれば、次のようなメリットにつながります。
- 不倫調査に気づかれるリスクを減らせる
- 法的なリスクを減らせる
- 不倫相手について調査できる
- 弁護士を紹介してもらえる
不倫調査に気づかれるリスクを減らせる
探偵であれば、個人よりも不倫調査に気づかれるリスクが少ないでしょう。
前提として探偵は配偶者や不倫相手に顔を知られていません。そのため、証拠集めをしていることに気づかれる可能性が少ないというメリットがあります。
探偵は複数人で調査します。そのため、一人の調査員の行動が疑われたとしても、別の調査員が調査するため、不倫調査に気づかれるリスクを減らせるでしょう。
また、調査員は専門的なスキルを用いるため、証拠集めが気づかれるリスクをより軽減できます。
法的なリスクを減らせる
ダブル不倫の調査にまつわるリスクは本人たちに気づかれることだけではありません。
調査についての法的なリスクにも配慮が必要です。自分で不倫の証拠を集めようとすると、法的な知識が足らず、違法性の高い調査をしてしまうかもしれません。
一方、探偵であれば不倫調査に関係する法律を把握しているため、法的なリスクを負わずに調査が可能です。
また、探偵は一般人であればストーカー規制法に抵触しかねない尾行や張り込みも認められています。
なお、注意すべきなのがすべての探偵が法的リスクを軽減できるというわけではありません。
例えば尾行や張り込みが認められるのは、探偵業届出証明書を提出している探偵のみです。
探偵業届出証明書を提出していないと尾行や張り込みがストーカー規制法に抵触しかねません。
不倫相手について調査できる
ダブル不倫の慰謝料を不倫相手に請求するには、相手の情報を把握しておく必要があります。
例えば、内容証明郵便を送るのであれば、相手の住所が分からなければ送ることはできません。
ダブル不倫をした配偶者によっては、不倫相手をかばおうとして相手の情報を教えてくれないこともあります。しかし、探偵に依頼すれば不倫相手の情報も調査可能です。
弁護士を紹介してもらえる
ダブル不倫の慰謝料請求は調停や裁判に発展する可能性があります。
調停や裁判に発展した場合、弁護士のサポートが必要です。
しかし、急に弁護士に依頼するとなってもどのように探して、どのような弁護士に依頼すればいいのか迷ってしまうかもしれません。
探偵のなかにはダブル不倫の調査後に、弁護士を紹介してくれるケースがあります。
弁護士を紹介してくれる探偵であれば、調査終了後にスムーズに慰謝料請求に進めるでしょう。
ダブル不倫の慰謝料請求のためには探偵に調査を依頼
配偶者がダブル不倫をしていた場合、配偶者だけでなく不倫相手に慰謝料を請求可能です。
ダブル不倫の慰謝料は婚姻期間や子供の有無、不倫を主導したかどうかで変動します。
いずれのケースであっても、慰謝料を請求するにはダブル不倫の証拠を抑える必要があります。
証拠を集める際は探偵に調査を依頼しましょう。探偵であれば法的リスクを抑えて、調査可能です。
アイヴィ・サービスはこれまで多くの不倫調査に対応してきました。
慰謝料請求に効果的な証拠を集めるだけでなく、調査終了後に弁護士をはじめとした専門家の紹介も可能です。
配偶者のダブル不倫でお悩みの方はぜひご相談ください。