ボイスレコーダーを使った浮気調査は、パートナーと浮気相手の会話を入手できる可能性がありますが、設置場所によっては罪に問われる可能性があるため注意が必要です。
また、離婚や慰謝料請求に際の法的効力は、会話の内容から不貞行為が立証できるかどうかにかかっています。デートの約束程度では法的効力が弱いため、ボイスレコーダーだけで決定的な証拠を入手するのは難しいでしょう。
この記事では、ボイスレコーダーを浮気調査に使うときの注意点や、ボイスレコーダーの選び方を詳しく解説します。
ボイスレコーダーの音声は浮気の証拠になる?
一般的に音声データは証拠能力が高く、うまく使えれば有効な浮気の証拠になります。
重要なのは、ボイスレコーダーでとった音声が法的に効力を発揮する内容かどうかです。
例えば、パートナーと浮気相手がデートの計画を立てている音声が取れたとします。
浮気をしている証拠にはなりますが、これだけでは法的に効力を発揮する内容ではありません。
浮気を理由に離婚や慰謝料を請求するには、配偶者以外の第三者との不貞行為(肉体関係)を証明する決定的な証拠を手に入れる必要があります。
また、ボイスレコーダーの音声単体では、決定的な証拠として不十分なケースもあります。その場合は、複数の証拠と組み合わせることにより、法的効力を持つことができます。
裁判で浮気の証拠になりやすい音声3つ
音声が証拠として採用されやすい音声としては、次の3つが挙げられます。
- 性行為中の音声
- 肉体関係を示唆する内容の音声
- 浮気を自白した音声
1. 性行為中の音声
性行為中の音声が録音できたものは、浮気の証拠として強力です。ただし、厳密には「決定的な浮気の証拠」とは言い切れません。
理由は、性行為中にお互いの名前を呼び合う場面がない限りは、本人かどうか断定できないためです。
その音声の登場人物が誰であるかが明確にわからなければ「アダルトビデオを再生していた」「2人でふざけていた」といくらでも言い逃れできてしまいます。
また、ボイスレコーダーの性能によっては、ノイズがひどく音声の人物特定が難しい場合もあります。
せっかく録れた音声が無駄にならないよう、ボイスレコーダーはある程度性能の高いものを使いましょう。
2. 肉体関係を示唆する内容の音声
パートナーと浮気相手の会話の中で、肉体関係があることがわかる音声は浮気の証拠になり得ます。
ただし、性行為中の音声と同様「いつ・誰と誰が肉体関係を持った」ということが明確にわかる内容でなければなりません。
「法的な効力がある証拠」となるには、日時を明かしたうえでお互いの名前を呼び合い、直接的な表現で肉体関係があることを発言している音声が求められます。
このようなことから、ボイスレコーダーで録音した音声単体のみで裁判で通用する証拠を掴むのは非常に困難です。
しかし、ボイスレコーダーの音声はほかの浮気の証拠と組み合わせることで、離婚裁判や慰謝料請求を有利に進める証拠の1つになることもあります。
たとえば、「先週の金曜日に行ったホテル、すごくよかったね」という音声に加え、実際にホテルの出入り写真やカーナビの記録があれば、不貞行為の証拠として大変有効です。
3. 浮気を自白した音声
音声だけでは条件が揃わない限り決定的な証拠とは言い切れないことがわかりました。
しかし、せっかく入手できた音声データがある場合、そのデータを再生してパートナーの自白を得られたら非常に強力な証拠になります。
別のボイスレコーダーやスマートフォンを用意して、パートナーが自白する証言をあわせて録音しましょう。
ただし、音声データを突きつけても浮気を認めないケースもあります。
一度浮気調査がバレると、パートナーの警戒心が強まり、プロである探偵でも新たな証拠を入手しにくくなるため注意が必要です。
相手に自白を求めようとする場合、パートナーの性格や話すタイミングを考えて、優位に立てるように動くのが鉄則です。
裁判で浮気の証拠にならない音声3つ
裁判で浮気の証拠として使えない音声は、以下の通りです。
- 日常的な会話
- 恐喝や暴力によって自白させた音声
- 違法な手段によって得た音声
1. 日常的な会話
肉体関係について言及していない会話は、ラブラブな内容であっても浮気の証拠とみなされません。
道徳的に考えれば配偶者以外の第三者に「好き」「愛してる」と愛の言葉を囁くことは浮気の範疇に該当するでしょう。
しかし、法律上ではあくまで肉体関係の有無が判断基準であり、プラトニックな関係は浮気と認められにくいのが現状です。
2. 脅迫や暴力によって自白させた音声
パートナーの浮気を問い詰める際、脅迫や暴力で無理やり自白させた場合は証拠として認められません。
精神的に追い詰める言動や、肉体的な拘束を経て自白させる行為は人権侵害にあたります。そのため、証拠の内容にかかわらず無効です。
脅されて嘘の証言をした可能性もあると考えられるため、証拠としての信頼性はより低くなります。
3. 違法な手段によって得た音声
不貞行為やパワハラの民事裁判において、ボイスレコーダーで盗聴して手に入れた証拠は原則的には認められる傾向です。ただし、合法で手に入れた証拠に限ります。
ボイスレコーダーを設置するにあたって、住居侵入や器物破損などの違法行為が見られれば、たとえ証拠が入手できたとしても法的には無効となります。
ボイスレコーダーでの浮気調査で注意すべき法律について
ボイスレコーダーの設置場所によっては、入手した浮気の証拠が無効となったり、パートナーに訴えられたりするリスクがあります。
ボイスレコーダーを使用するにあたって、注意すべき法律と罰則は以下の通りです。
住居侵入(※1) | 3年以下の懲役、または10万円以下の罰金 |
---|---|
プライバシーの侵害 | 損害賠償請求の対象となる |
たとえば、婚姻関係のないパートナーまたは浮気相手の住居や車に侵入し、ボイスレコーダーを取り付ける行為は住居侵入罪にあたります。
盗聴という観点では、プライバシーの侵害となる可能性もあるでしょう。
プライバシーの侵害自体には刑罰がないものの、民事裁判において損害賠償請求をされるリスクは避けられません。
(※1)e-Gov法令検索:刑法 第百三十条「住居侵入等」
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=140AC0000000045#Mp-At_130
妻や夫の浮気調査でボイスレコーダーを設置するなら共有財産である車や自宅がおすすめ
夫婦間の場合、共有財産である住居内であれば合法です。
ただし、夫婦といえどもパートナーの私物であるカバンやコートのポケットにボイスレコーダーを忍ばせるのはプライバシーの侵害となります。
また、夫婦であっても別居中であるパートナーの自宅へ不法侵入した場合、相手に訴えられれば罪に問われるので注意しましょう。
車内
車に設置する場合、夫婦の共有財産であれば合法です。
ただし、婚姻前から所有していた車は特有財産となり、パートナーの特有財産に設置するのは違法なので注意が必要です。パートナーの社用車に設置するのもNGです。
ボイスレコーダーの機種によっては、一方向の音声しか拾えないものがあります。使う機種の特性に合わせて設置場所を考えましょう。
助手席に浮気相手が乗っている際の会話を録音したい場合は、ダッシュボードの中や助手席のシート下に設置します。
車内で性行為をしている可能性が高い場合は、助手席のシート裏のポケットや後部座席側に設置するとよいでしょう。
サンバイザーにペン型の盗聴器を仕掛けるのも、バレるリスクが少ないのでおすすめです。
実際に自分が車を使い、運転中にも音が拾えるかどうか、さまざまな方向から録音を試しておきましょう。
同居する家の中
夫婦間の共有財産である住居内であれば、住居侵入罪は適用されません。
パートナーの生活リズムや家での過ごし方に合わせて、設置場所を考えましょう。
たとえば、リビングでゆっくり過ごすことが多い場合にはソファの裏に設置してみてください。もしパートナーが喫煙者の場合は、キッチンの換気扇近くやベランダもおすすめです。
このような住居内のくつろぐ場所では、1人のときに浮気相手と電話する可能性があり、隙も生まれます。
考えたくはないですが、大胆な行動を想定して寝室に仕掛けるのもアリでしょう。
ただし、夫婦で購入した住宅であっても、プライベート空間にボイスレコーダーを設置するのはプライバシーの侵害を問われる可能性があります。
パートナー専用の鍵付き自室や専用の書斎にボイスレコーダーを設置するのは避けましょう。
浮気調査用にボイスレコーダーを選ぶポイント5つ
浮気調査でボイスレコーダーを使う場合、ボイスレコーダーの性能や使いやすさによって証拠を入手できる確率が変わってきます。
浮気調査に使うボイスレコーダーを選ぶときは、以下に注目しましょう。
- 音質
- 録音可能時間・バッテリー容量
- サイズ感・形状
- 価格
1. 音質
音質については、以下に当てはまる性能のものを選びましょう。
- ノイズキャンセリング機能は必須
- 遠距離からでも録音可能
- 多方向から録音可能
浮気調査にボイスレコーダーを使う場合は、隠して設置するのが大前提です。
そのため、遮蔽物や布越し、遠距離からでも音を拾えるかが重要なポイントです。
せっかく音を拾えても、車のエンジン音や生活音といったノイズが入っていて肝心の会話内容が聞き取れないケースも珍しくありません。
音声をクリアに録音するために、ノイズキャンセリング機能は必須条件です。
また、ボイスレコーダーの設置場所を試行錯誤しながら考える必要があるので、さまざまな場所に隠すと想定すると、多方向からの録音に対応していると安心です。
2. 録音可能時間
長時間の設置が想定される浮気調査には、録音可能時間が長いボイスレコーダーが必要です。
- 車に設置なら20時間程度
- 自宅に設置なら10〜15時間
- VOR機能付きが望ましい
たとえば、あなたが家を空ける際に、パートナーが浮気相手を連れ込む可能性を想定して設置するケースを考えてみましょう。
長時間留守にするなら、充電の持続が24時間以上で、録音可能時間も10〜15時間はほしいところです。
車に仕掛ける際も、出勤時から朝帰りを想定すれば、20時間程度の録音ができないと決定的な瞬間を逃しかねません。
しかし、小型で大容量、高性能なものとなると、それだけ価格も高額になります。少しでもコストを抑えるためには、容量の大きさはそこそこで、バッテリーを節約できるVORが搭載されているものを選ぶのがおすすめです。
VORとは、音がしたときに録音を開始する機能です。車内や自宅に誰もいない間は録音を自動的に停止できるため、バッテリーの節約につながります。
こまめに回収してデータを移行できる場合は、録音時間やバッテリー持続時間にこだわらず音質や形状を重視するのもよいでしょう。
3. サイズ感・形状
浮気調査がパートナーにバレる事態を避けるため、以下のようなボイスレコーダーを選ぶのがおすすめです。
- ペンタイプ、USBタイプの日常に溶け込むもの
- できる限り薄型・軽量・小型のもの
いくら性能が良くても、メディア記者が使うような本格サイズのレコーダーではパートナーに発見されてしまいます。
音質やバッテリー持続時間の条件をクリアしたもののなかで、できる限り小型でバレにくい形状を選びましょう。
通販サイトでは、日常に溶け込む形状のボイスレコーダーが販売されています。
特にペンタイプではリビングのペン立ての中や車のサンバイザーに設置して使用できます。
4. 価格
浮気調査に使うボイスレコーダーは、4,000円〜20,000円の範囲のもので十分です。
せっかく自力で浮気調査を行う以上、コストは最小限に抑えたいものです。
近年は高性能なボイスレコーダーも小型化しており、高いものでも10,000円台後半〜20,000円以下で購入できます。
ただし、あまりに安価なものは音質が粗悪であったり、バッテリーが持続しなかったりすることもあります。購入する前に口コミやレビューを確認しましょう。
5. その他:あると便利な機能
倍速再生や遠隔操作機能があれば、ボイスレコーダーでの浮気調査を効率的に行うことができます。
ボイスレコーダーに倍速再生機能がついていれば、PCにデータを取り込む前にひととおり倍速で再生し、残したいと判断したものだけを取り込めるので便利です。
遠隔操作できるタイプなら、録音したいタイミングで手動で録音開始できるため、バッテリーの節約に一役買ってくれるでしょう。
VOR機能か遠隔操作機能のどちらかがついていれば、より効率的に浮気調査ができますよ。
浮気調査でボイスレコーダーを使うときの注意点3つ
ボイスレコーダーを使った浮気調査で注意すべきポイントは以下の3つです。
- 違法となる可能性がある
- パートナーにバレたときのリスクが高い
- ショッキングな内容が録音される可能性がある
1. 違法となる可能性がある
上述のように、ボイスレコーダーを設置する際は、住居侵入罪やプライバシーの侵害に問われないよう注意しなければなりません。
強力な証拠となり得る音声が入手できても、入手経路が違法であれば証拠としては無効です。
2. パートナーにバレたときのリスクが高い
素人が浮気調査をするのは、常にバレるリスクとの隣り合わせです。
いくら目につかない場所にボイスレコーダーを設置しても、掃除中や落とし物を拾うときに目線が変わってふと目につく可能性はあるでしょう。
浮気を探っていることが相手に悟られると、その後の隠ぺい工作が巧妙になったり、警戒心が高まったりして、浮気を立証するのが困難になります。
さらに、「プライバシーの侵害だ」と慰謝料を請求されたり、「浮気を疑われて愛が冷めた」と別居・離婚につながったりと、予想外の事態に発展することも考えられます。
「浮気の有無を知りたいだけで、裁判に持ち込むつもりはない」という場合であっても、相手のプライベートな領域にボイスレコーダーを設置するのは控えた方が良いでしょう。
3. ショッキングな内容が録音される可能性がある
浮気調査では、知りたくもない内容が次々と露わになります。
離婚を想定するならば、さまざまな観点からの証拠を集め、内容証明や弁護士への相談が必要です。
とくに、以下のようなショッキングな内容を確認する覚悟を持たなければなりません。
- 浮気相手と車内や寝室で性行為をしていた
- 浮気相手に自分の悪口を言っていた
- 嘘をついて浮気相手と出かけていた
例えあなたにとってショッキングな事実があっても、証拠集めの段階では平然と知らないふりをし続け、水面下で動く必要があります。
本格的な浮気調査は探偵事務所に依頼するのがおすすめ
素人がボイスレコーダーを使って浮気調査をするのは簡単なことではありません。
ボイスレコーダーでの浮気調査はあくまで「浮気をしている可能性がほぼ黒である」ということを確認する作業だと捉えましょう。
有利な条件で離婚したい、慰謝料を請求したいという場合は、探偵事務所に浮気調査依頼をするのがおすすめです。
探偵事務所の浮気調査では、証拠能力が高い「調査報告書」を作成できます。また、自分で浮気調査を行う際に注意すべきリスクやメンタル的な負担もありません。
自力の浮気調査で失敗してから「はじめから探偵事務所に依頼していればよかった」と後悔しないために、よく考えて判断する必要があるでしょう。
ボイスレコーダーでの浮気調査はリスクが伴うため注意が必要
ボイスレコーダーで録れた音声が浮気の証拠として使えるかは、ケースバイケースです。
不貞行為の有無を証明するには音声のみでは難しく、あわせて他の形式の証拠が必要になります。
鮮明な音声を入手するためには音質やバッテリー、形状が浮気調査に適したものを選び、設置場所にも注意しましょう。
違法な設置場所で得た音声は、証拠として無効となってしまいます。
浮気調査は一度失敗するとパートナーの警戒心が強まり、その後の浮気調査が難航する傾向があります。
慰謝料請求されるリスクも考えられるため、慎重に行いましょう。
リスクを追わずに浮気調査を成功させたいなら、探偵事務所に浮気調査を依頼するのが確実です。
創業12年のアイヴィサービスは年間20,000件以上の相談実績があり、数多くの結果を出してきた浮気調査のエキスパートです。
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