浮気している夫は、家庭をないがしろにしているように思えます。しかし、浮気している夫のなかには、妻や家庭を大切にしているつもりの人もいます。
このように浮気夫と一言で言っても、妻に対する心理はひとそれぞれです。ただし、どのような心理であっても浮気の事実は変わらないため、関係再構築や離婚、慰謝料請求など、適切な対応を取りましょう。
この記事では、浮気夫にとっての妻とは何なのか、その心理や浮気夫へのNG行動などを解説します。
浮気夫にとって妻とは?夫の心理を解説
浮気夫からみて妻は次のような存在である可能性があります。
- 唯一無二の存在だけど浮気心が抑えられない
- 家族として大切
- パートナーとして不満を感じている
それぞれの夫の心理について解説します。
唯一無二の存在だけど浮気心が抑えられない
多くの夫にとって、妻は人生のパートナーであり、家族の中心的存在です。結婚生活を通じて築き上げた信頼関係や絆は、他の何物にも代えがたいものと感じているでしょう。しかし、その一方で浮気心を抑えられないケースも存在します。これは、新鮮さや刺激を求める心理が働いているためです。
日常生活の中でのマンネリ化やルーティンワークに飽きてしまい、新たな刺激や冒険心を満たしたいという欲求が浮気に繋がることがあります。また、男性としての自己肯定感を高めたい、若々しさを取り戻したいといった心理も影響します。これは必ずしも妻への愛情が薄れたわけではなく、夫自身の内面的な問題といえるでしょう。
さらに、社会的なプレッシャーや仕事でのストレスが蓄積し、現実逃避として浮気に走るケースもあります。浮気相手との関係を通じて一時的な安らぎや興奮を得ることで、日常のストレスを解消しようとする男性もいます。
家族として大切
浮気をしていても、家庭や妻、子供たちを大切に思っている夫も少なくありません。このような夫にとって家庭は安らぎの場であり、妻は信頼できるパートナーです。しかし、その安定感や安心感が逆に新たな刺激を求める原因となることもあります。家庭を壊すつもりは全くなく、一時的な感情の高まりや欲求に流されてしまうのです。
妻を大切な家族と思っている夫は、浮気と家庭を別物として捉えている場合があります。そのため、家庭生活に大きな変化がないことから、妻が浮気に気づきにくいこともあります。しかし、浮気が発覚した際には、妻の信頼を大きく損なう行為であることに変わりはありません。
パートナーとして不満を感じている
夫婦関係において、コミュニケーション不足や価値観のズレ、日常生活の中でのストレスなどから不満を感じることがあります。不満を適切に解消するためには話し合いが有効です。しかし、話し合いの機会が持てない場合、夫は外部に安らぎや共感を求めてしまうことがあります。これは、夫婦間での問題を直視できない、または話し合う機会がないことから生じる心理です。
例えば、仕事の疲れやプレッシャーを家庭で共有できない場合、理解者を求めて他の女性に心を開いてしまうことがあります。また、妻からの愛情を感じられなくなったと感じる場合も、浮気に走る一因となります。これらは夫婦間のコミュニケーション不足が根底にあることが多いです。
浮気した夫に対して避ける行動
夫が浮気をしている場合、相手の行いにストレスを感じて感情的になってしまう人もいるでしょう。しかし、浮気した夫と接する際は以下のような行動に注意することが大切です。
- 浮気を責め続ける
- 夫の行動をすべてチェックする
- 証拠もないまま離婚話を切り出す
- 浮気相手と直接対峙する
避けるべきそれぞれの行動について解説します。
浮気を責め続ける
浮気された怒りや悲しみから、夫を激しく責め続けることは避けましょう。感情的に非難された夫は受け身一方になってしまい、建設的な話し合いが困難になります。また、夫が家庭から逃避する原因にもなりかねません。問題の根本を解決するためには、冷静な対話が必要です。例えば浮気の原因が家庭環境にある場合、責めてばかりでなく夫の意見にも耳を傾ける必要があります。
話し合いの場を設けるのであれば、一時的な感情に流されるのは避けましょう。自分の気持ちを整理してから話し合いの場を設けることが大切です。感情に任せて相手を責めるのではなく、事実を確認し、今後の関係について建設的な話し合いを行うことがポイントです。
夫の行動をすべてチェックする
夫の浮気に対する不安から、相手のスマートフォンやメール、SNSのアカウントに不正ログインして行動を監視する行為は、プライバシーの侵害となります。(※1)さらに不正ログインは法律に抵触する行為です。これらの行為は、最悪の場合、相手から訴えられるリスクもあります。不正ログインをしたと判断されると、不正アクセス禁止法に違反するとして、次のような罰則が科せられてしまうので注意しましょう。(※2)
行為 | 具体例 | 罰則 |
---|---|---|
不正アクセス行為 | ・デバイスのユーザーである他人のIDやパスワードなどを無断で入力する行為 ・攻撃用プログラムなどによってパスワードなどで制御されているデバイスを利用する行為 | 3年以下の懲役又は100万円以下の罰金 |
不正アクセス行為を助長する行為 | ・他人のIDやパスワードなどを無断で第三者に提供する行為 | 1年以下の懲役又は50万円以下の罰金 |
他人の識別符号(パスワードなど)を不正に取得・保管・入力要求する行為 | ・他人のパスワードなどを不正に入力させる行為 | 1年以下の懲役又は50万円以下の罰金 |
相手のプライバシーを侵害する行為は、罰せられるリスクだけでなく、夫の信頼を完全に失う結果にもつながりかねません。信頼関係を再構築するためには、お互いのプライバシーを尊重することが重要です。例えばしつこくスケジュールを確認する、どこに行っていたのか確認するといった行為は、夫からすると息が詰まってしまうでしょう。
もし情報を収集する必要がある場合は、合法的な方法で行いましょう。専門の探偵事務所に依頼することも一つの手段です。
(※1)総務省「国民のためのサイバーセキュリティサイト」プライバシーの侵害とは?
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/cybersecurity/kokumin/basic/risk/12
(※2)警視庁「不正アクセス行為の禁止等に関する法律の解説」
証拠もないまま離婚話を切り出す
夫に対して感情的になり、証拠もないまま離婚を切り出すことは避けましょう。法的な手続きを進めるうえでは、浮気の確固たる証拠が必要です。証拠がなければ、慰謝料請求や有利な条件での離婚が難しくなります。冷静に状況を把握し、必要な証拠を集めた上で、今後の対応を考えることが大切です。証拠がないまま離婚話を切り出してしまうと、後日、浮気相手と証拠隠滅を図る恐れがあります。
なお、離婚は人生の大きな決断です。一時的な感情に流されず、将来的な生活設計や子供のことなど、総合的に考慮する必要があります。
浮気相手と直接対峙する
怒りに駆られて浮気相手に直接連絡を取ったり、職場に乗り込んだりすることはトラブルにつながる原因です。このような行動は、名誉毀損や業務妨害などの法的問題に発展する可能性があります。また、感情的な対立は事態をさらに悪化させ、解決を遠のかせてしまうでしょう。浮気相手への対応は専門家に相談し、法的な手続きを踏むことが大切です。
浮気相手に対する慰謝料請求も可能ですが、そのためには適切な手続きが必要です。弁護士などの専門家に相談しましょう。
夫との関係構築を目指すなら早め対応
浮気が発覚した場合、対応が遅れると夫と浮気相手との関係が深まり、関係修復が困難になる可能性があります。そのため、夫との関係構築を目指すのであれば、早めに適切な対応を取ることが大切です。時間が経つほど感情的な溝が深まり、信頼関係の回復が難しくなるため、迅速な行動が求められます。
また、浮気の問題は精神的なストレスを伴います。一人で抱え込まず、信頼できる友人や家族、専門家に相談することで、適切なサポートを得ることができます。早期の対応は、自分自身の心のケアにも繋がります。
浮気夫と関係を再構築する方法
浮気夫と関係を再構築するための方法は次のとおりです。
- 夫がいやすい場所を作る
- 夫との接し方を変えてみる
いずれの方法も夫と向かい合う必要があります。
夫がいやすい場所を作る
家庭が夫にとって安らげる場所であることを再確認しましょう。日々の忙しさやストレスから解放される空間を提供することで、夫は再び家庭に目を向けるかもしれません。具体的には、リビングや寝室の雰囲気を変えてみたり、一緒に過ごす時間を増やす工夫をしてみましょう。
また、夫の趣味や興味を尊重し、それを楽しめる環境を整えることも効果的です。例えば、趣味の道具を置くスペースを作ったり、一緒に趣味を楽しむ時間を設けることで、夫婦の絆を深めることができます。
夫との接し方を変えてみる
これまでの接し方やコミュニケーションの取り方を見直すことも、関係再構築に有効です。例えば、夫の話に耳を傾け、共感を示すことで心の距離を縮めることができます。また、自分の感情や考えを素直に伝えることで、互いの理解を深めることができます。
時には、新しい共通の趣味を始めてみるのも良いでしょう。一緒に新しい体験を共有することで、関係性に新たな刺激と深まりをもたらすことができます。
浮気している夫のなかには、セックスレスが原因で他の女性と関係を持つケースもあります。そのため、過度に夫からの誘いを断ることは避けましょう。
浮気夫と離婚するための流れ
夫が浮気したとしても関係を再構築しようとする人もいれば、浮気を許せず離婚しようとする人もいます。浮気夫と離婚する場合、次のような流れで進めていきましょう。
- 浮気の証拠を集める
- 証拠を突き付ける
- 慰謝料請求も検討
浮気の証拠を集める
まずは、夫の浮気を証明する確固たる証拠を集めましょう。具体的には写真や動画、メール、SNSのメッセージ、ホテルの領収書などが有効です。特に有効な証拠は写真や動画です。夫と浮気相手のあいだに肉体関係にあることが分かる写真や動画であれば、大きな証拠として機能します。
一方、メールやSNSのメッセージは内容によっては、肉体関係を証明できない可能性があります。さらに、レシートや領収書も証拠として弱い傾向にあり、ほかの証拠と合わせることがポイントです。
なお、自分で浮気の証拠を集める場合、先述の不正ログインだけでなく、尾行によるストーカー規制法への抵触にも注意しましょう。ストーカー規制法では次のような罰則が設けられています。(※3)
- ストーカー行為をした者:1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金(第18条)
- 禁止命令等に違反してストーカー行為をした者:2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金(第19条)
- 禁止命令等に違反した者:6ヶ月以下の懲役もしくは50万円以下の罰金(第20条)
(※3)警視庁「ストーカー規制法」
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/higai/dv/kiseho.html
証拠を突き付ける
集めた証拠をもとに、夫と冷静に話し合える場を設けましょう。この際、感情的にならず、事実に基づいて離婚の意思を伝えることが重要です。また、第三者に同席してもらうことでスムーズに話し合いが進む場合もあります。
話し合いでは、離婚の条件や子供の親権、養育費など、具体的な事項についても取り決める必要があります。可能であれば、公正証書を作成し、法的に有効な形で合意を残すことが望ましいです。
公正証書のメリット
公正証書は公正役場で公証人が作成する証書です。法的な拘束力を持つうえに、万が一、相手が約束を守らなかった際もスピーディに対応できます。公正証書であれば相手が証書に反した場合、裁判所に申し立てをしなくても強制執行が認められます。
慰謝料請求も検討
浮気は法的な離婚理由となり、精神的苦痛に対する慰謝料請求が可能です。慰謝料の額は、婚姻期間や浮気の程度、生活への影響などを総合的に考慮して決定されます。専門の弁護士への相談などによって適切な手続きを進めましょう。また、財産分与や子供の親権、養育費などについても詳しく話し合い、合意書を作成することが大切です。
探偵に証拠を収集を依頼
浮気夫との離婚や慰謝料請求を検討しているのであれば、探偵に証拠を収集を依頼するのがおすすめです。探偵であれば法律に配慮した適切な方法で証拠を収集してくれます。さらに探偵に証拠収集を依頼するメリットとして以下が挙げられます。
- 夫や浮気相手にバレるリスクが少ない
- 探偵による調査報告書も証拠になる
- 調査後に専門家を紹介してもらえる
夫や浮気相手にバレるリスクが少ない
自分で夫が浮気している証拠を集めようとすると、夫や浮気相手にバレてしまうかもしれません。夫や浮気相手にバレてしまうと、会うのを控えたり、証拠隠滅を図ったりと、離婚や慰謝料請求に不利となる行動を取られてしまう恐れがあります。
一方、探偵は夫や浮気相手に顔が知られていないうえに、複数人で調査をするため、バレるリスクは少ないでしょう。慣れない浮気調査を行い夫や浮気相手にバレてしまうリスクを考慮すると、探偵への調査依頼がおすすめです。
探偵による調査報告書も証拠になる
一般的に探偵は浮気調査を終えたら調査報告書を提出してくれます。探偵が提出する調査報告書は夫の浮気証拠としても機能します。
調査報告書には次のような内容が記されています。
- 夫の浮気を証明する写真など
- 客観的な調査報告
- 夫が浮気した現場の最新の地図
探偵事務所によって調査報告書のフォーマットはさまざまです。中には主観ベースの報告書を作成する探偵もいますが、主観に基づく調査報告書は証拠として機能しません。探偵に依頼する際は、事前にサンプルを確認させてもらいましょう。
調査後に専門家を紹介してもらえる
探偵によっては、調査終了後に専門家を紹介してくれるケースもあります。例えば離婚や慰謝料請求の際に、サポートしてくれる弁護士を紹介する探偵もいます。また、カウンセラーを紹介してくれる場合もあります。
先述のように、浮気夫との離婚に精神的なショックを覚える人もいるでしょう。このようなときに探偵からカウンセラーを紹介してもらえれば、精神的なショックを緩和できるかもしれません。
浮気夫の心理を把握して証拠集めを進めよう
浮気夫は妻にパートナーとしての不満を感じていることもあれば、人によっては家族として大切に思っていながら浮気心を抑えられないというケースもあります。
夫が浮気している場合は浮気を責め続ける、夫の行動をすべてチェックする、証拠もないまま離婚話を切り出すといった行為は避けましょう。反対に夫と関係を再構築したいのであれば、相手がいやすい場所を作る、接し方を変えてみるといった方法がおすすめです。
夫との関係を再構築するのでなく離婚や慰謝料請求を検討するのであれば、証拠集めを進めましょう。
アイヴィ・サービスでは、専門的な知識を持つ調査員が法律に配慮して証拠収集します。夫の浮気でお悩みの方はぜひご相談ください。