パートナーに浮気をされてしまうと、さまざまな気持ちの変化が現れます。なかにはパートナーの浮気について詳細が知りたくなる、浮気が気になって心身に不調が現れるといった人もいるでしょう。
このようにパートナーの浮気による心身の乱れを理解するうえでは、サレラリについて把握しておきましょう。サレラリとはパートナーの浮気によって心身に不調が現れる状態です。
この記事ではサレラリの意味や症状、乗り越えるためのポイントを解説します。
サレラリとは?浮気が原因の症状
サレラリとは、パートナーに浮気を「され」て頭がパニック(「ラリ」っている)状態です。サレラリになってしまう原因は浮気です。パートナーに浮気をされたことで精神的に大きなショックを受けるのが一般的です。浮気によって精神的ショックを受けると、自己肯定感が低くなったり現実逃避をしたりします。このような状態が進むことで、心が混乱する「サレラリ状態」になってしまいます。
サレラリに関する言葉
サレラリに関する言葉として以下が挙げられます。
言葉 | 言葉の意味 |
---|---|
サレラリ期 | サレラリになっている間 |
シタラリ | 浮気をしたことで高揚感や罪悪感が高まり、正常な状態で無くなった状態 |
シタラリ期 | シタラリになっている期 |
サレ妻 | 浮気をされた妻 |
シタ妻 | 浮気をした妻 |
サレ夫 | 浮気をされた夫 |
シタ夫 | 浮気をした夫 |
サレラリの反対にあたる言葉として、シタラリが挙げられます。シタラリは浮気をしたことで、正常な判断ができないようになっている状態です。浮気をした高揚感によって正確な判断が下せなくなった人もいれば、罪悪感によって正常な判断が下せなくなっている人もいるでしょう。
サレラリは性別に関係なく起きる
サレラリに性別は関係ありません。女性であっても男性であってもサレラリになってしまう可能性があります。
そのため、男性であるから、もしくは女性であるからといってサレラリにはならないだろうとたかを括っていると、いざというときにパニックになってしまうかもしれません。サレラリは男女ともに起きるものと把握しておきましょう。
サレラリは人によって度合いが異なる
サレラリは人によって度合いが異なります。例えばもともと自分に対して自信を持てていないという人の場合、パートナーが浮気したことに対して強いサレラリ感を抱いてしまうかもしれません。
このような人は強いサレラリ感を覚えてしまい、なかには自分を責めてしまうケースもあるでしょう。自分を責めてしまった結果、強い罪悪感を覚え、必死に夫に尽くす、家事や育児に過度に励む、パートナーに精神的にしがみつくといった行動につながりかねません。
サレラリの主な症状
サレラリの主な症状として以下が挙げられます。
- パートナーの浮気の詳細を知りたくなる
- パートナーに振り向いて欲しいため言いなりになる
- 体・心に異変が不調が出る
パートナーの浮気の詳細を知りたくなる
サレラリの主な症状として、パートナーの浮気の詳細を知りたくなるといった点が挙げられます。例えばパートナーが誰と浮気しているのか、どれくらいの頻度で会っているのか、いつから会っているのかなど、パートナーと浮気相手との関係が気になってしまうでしょう。
パートナーの浮気の詳細を知りたくても、当然相手が教えてくれる可能性は少ないでしょう。そのため、浮気の詳細を知りたいという気持ちがどんどんと高まってしまい、苦痛になる可能性があります。
パートナーの浮気の詳細を知りたいからといって、無理に聞き出そうとするのはトラブルにつながりかねません。
パートナーに振り向いて欲しいため言いなりになる
パートナーに振り向いて欲しいために言いなりになってしまう人もいます。例えばパートナーに振り向いて欲しくて常に要求に従ってしまう、パートナーの顔色を窺う、無理して笑顔を作るといった行動が挙げられます。
このような行動を表わした心理学用語が、トラウマティックボンディングです。トラウマティックボンディングとは加害者の加害的な行動が、被害者をより加害者に対して依存的にさせる現象です。
パートナーに浮気されてしまうと、相手に良く思われたいなどの理由からどんどん相手の言いなりになってしまうでしょう。
体・心に異変や不調が出る
体、心に異変や不調が出てしまうのもサレラリの症状です。例えば動悸が激しい、胸の圧迫感、睡眠不足や睡眠の乱れ、体重の急な増減などが挙げられます。
このような症状を放置していると、神経の衰弱や大きな健康被害につながりかねません。サレラリが原因で精神疾患を抱えてしまうと、長い期間通院が必要になる恐れもあるでしょう。
症状から見るサレラリのセルフチェック
自分がサレラリの状態であるかどうかは症状からセルフチェック可能です。以下の質問に回答してみましょう。
- パートナーの浮気についてしょっちゅう考えて、詳細を知りたくなる
- パートナーの行動、言葉に過度に反応している
- 睡眠の質低下や吐き気など体調の変化が現れている
- 会ったことのない浮気相手と自分を比較して、知らぬ間に競争心を感じている
- パートナーに不安や恐れを感じている
- 無理して平常心を維持しようとしている
- 浮気をされてから、パートナーの存在感は薄くなっている
- パートナーからの命令や指示に気付かぬうちに従い、尽くしてしまう
- 本当の気持ちや考えをパートナーに話せていない
- パートナーに体を求められると自分の意思とは関係なく応じてしまう
- 考えが停止し、判断が遅れてしまい、他人に判断を委ねるようになった
- 家事は完璧にこなそうとする
- 自分を責めてしまう
- 浮気されて以降、パートナーへの思いが強くなった
- パートナーの浮気を無条件で許しいる
上記のチェック項目中、4つの項目にあてはまるのであれば、サレラリの可能性があります。さらに、当てはまった項目が10日以上続いている場合、サレラリの可能性が高くなるでしょう。
サレラリ症状を乗り越える方法
サレラリ症状を乗り越えるには次のような方法を実践してみましょう。
- 感情を受け容れる
- パートナーの不倫で自分を責めない
- 不倫相手と自分を比較しない
- 自己肯定感を高める
- メタ認知で客観的に考える
ここではサレラリ症状を乗り越えるそれぞれの方法を解説します。
感情を受け容れる
サレラリ症状を乗り越えるには、自分の感情を受け容れることが大切です。感情を受け容れることは、現在抱いている気持ちを否定するわけではありません。また、感情を受け容れる際は分析や評価も不要です。自分の感じたこと、存在をただ認めるだけです。
感情、現実を受け容れることで問題の解消につながります。
感情を受け容れる際はジャーナリングが効果的です。ジャーナリングでは頭に思い浮かんだ言葉や思いをそのまま紙に書き出します。例えば次のようなことを書きましょう。
- パートナーの浮気についてどう思ったか
- これからどうしたいのか
- どのようにつらいのか
これらの内容を紙に書き出してから、感情を受け容れるステップに進みましょう。
パートナーの不倫で自分を責めない
サレラリ状態にある人は、パートナーの不倫は自分に責任があると考えてしまいます。しかし、パートナーが不倫したからといって自分を責めないようにしましょう。例えば「自分のいたらなさが原因で不倫をしてしまったんだ」と考えて自分を責めてしまうと、必要以上に家事や育児に力を注いでしまい、オーバーワークにつながりかねません。
オーバーワークが続くと負担が重なり、心身に不調として現れるおそれがあります。
不倫相手と自分を比較しない
不倫相手と自分を比較するのは避けましょう。不倫相手と自分を比較してしまうと、自尊心を下げかねません。例えばパートナーの不倫相手が自分よりも若かった場合、自分の年齢を気にしてしまう可能性があるでしょう。また、不倫相手が自分と同じ年齢であることで余計嫉妬してしまうケースもあります。
不倫相手と自分を比較してしまうと自信をなくしかねないため、過度な意識は避けるのがおすすめです。
自己肯定感を高める
サレラリの状態を抜け出すには、自己肯定感を高めることが大切です。自己肯定感を高めるには、ちょっとしたことでも自分を褒めてみましょう。例えば朝早く起床できたら、鏡の前に立ち、声に出して自分を褒めます。こうすることで自己の向上が期待できます。
自己肯定感を高めることで、自分に自信がつき、パートナーの意見に左右されることもなくなるでしょう。
メタ認知で客観的に考える
メタン認知とは自分の感情や考えを客観的に捉えることです。感情、行動、状況という3つのポイントを客観的な視点で認知できるようになれば、現実をしっかりと見れている状態といえます。
サレラリが治まった兆候
サレラリを乗り越える方法に取り組んだ後、症状が治まったかどうかは次のような兆候から判断可能です。
- 心身の不調が改善される
- パートナーの不倫について冷静に考えられる
- 夫婦関係について考えられる
心身の不調が改善される
サレラリの状態が解消されれば、心身の不調改善が期待できます。例えばサレラリ期では睡眠不足や動悸などに悩まされているかもしれません。しかし、メタ認知などによって心身の不調の改善が期待できるでしょう。体の不調が改善されたとしても、心の不調は改善されない可能性もあります。このような場合では無理せず心のケアにも着目しましょう。
パートナーの不倫について冷静に考えられる
パートナーの不倫について冷静に考えられるようになれば、サレラリ症状が治まったといえるでしょう。サレラリの症状が治まれば、パートナーへ依存する気持ちが薄らいでいきます。その結果、パートナー自身そしてパートナーの不倫について冷静に考えられるようになるでしょう。
パートナーの不倫について冷静に考えられるようになれば、「離婚したくない」「嫌われたくない」といった気持ちも薄らいでいくでしょう。
夫婦関係について考えられる
サレラリ状態が治まれば、夫婦関係についても冷静に考えられるようになります。サレラリ期は離婚したい、関係を再構築したいなどパートナーとの将来について、自分で考えるのが難しくなってしまいます。このような状態ではパートナーの意見に流されてしまい、自分が望む未来に近づくのは難しいでしょう。
一方、自己肯定感を高める、メタ認知で客観的に考えるようになるなど、サレラリ状態を治めることで夫婦関係について冷静に考えられます。
不倫されても夫婦関係を再構築するには?
厚生労働省が発表した『令和4年度 離婚に関する統計の概況』によれば、2020年に離婚した夫婦の数は19万3,000組でした。(※1)
パートナーが不倫していた場合、離婚して夫婦関係を解消するか、再構築するかが大きな争点です。サレラリ状態から抜け出したのであれば、今後、夫婦関係をどうするのかを自分の意思で決めましょう。
なにもパートナーが不倫したからといって離婚しなければならないわけではありません。不倫されたとしても夫婦関係を再構築するという選択も可能です。
夫婦関係を再構築するのであれば以下を実践してみましょう。
(※1)厚生労働省「令和4年度「離婚に関する統計」の概況」人口動態統計特殊報告
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/rikon22/dl/gaikyo.pdf
思ったことは伝え合う
パートナーと夫婦関係を再構築するのであれば、思ったことを伝え合いましょう。正直に気持ちを伝えないと、相手に自分がどのような考えなのかが伝わりません。当然、相手がどのようなことを思っているのかを知ることも大切です。そのため、互いに思いを伝え合うようにしましょう。
パートナーと話し合うには冷静に対応できることが大切です。感情に任せて対応してしまうと、トラブルにつながりかねません。
相手も再構築したいのか確認する
夫婦関係を再構築するには、夫婦それぞれが真摯に取り組む必要があります。そのため、相手も夫婦関係を再構築したいのかを確認しましょう。
注意すべきなのが、パートナーが表面上で対応している可能性があるという点です。口頭だけで再構築の旨を伝えているのであれば、実際の再構築は難しいでしょう。
夫婦関係を再構築するうえでは、自分の努力も必要です。再構築をするためにはパートナーの浮気や行動を許すことが求められます。
一方的にならずパートナーの気持ちも受け止める
夫婦関係を再構築するためには、一方的にならずにパートナーの気持ちも受け止めましょう。一方的に自分の気持ちだけを伝えていても、一回発生した溝を埋めるのは困難です。夫婦関係の再構築を目指すのであれば、自分の意見は一旦脇に置いておきましょう。相手の気持ちも受け止めることが大切です。
夫婦関係のルールを作る
夫婦関係を再構築するためには夫婦関係のルールを策定しましょう。浮気についてのルールはもちろんのこと、以下のようなルールを策定するのがおすすめです。
- 帰宅時間を連絡する
- 遅くなる場合は連絡を入れる
- カードや現金などお金の流れは互いに分かるようにする
夫婦関係のルールを作る際は双方が納得したものにしましょう。どちらか一方しか納得していないルールを無理強いしていては、相手にとってストレスになりかねません。
なお、夫婦関係のルールを作る際は内閣府男女共同参画局による『夫婦が本音で話せる魔法のシート』を活用するのがおすすめです。
ルールを無理に納得させるのはリスクがある
夫婦関係のルールを策定したら書面として残すケースがあります。作成した書面に対して、無理にサインを要求することは恐喝罪や脅迫罪につながりかねません。
ルールを破ったことに対し、ペナルティとして罰金を設けることも可能です。しかし、ペナルティとして罰金が認められるのは一般常識の範囲の額です。過度な罰金は認められる可能性が低いため注意しましょう。
サレラリの症状を解消して次のステップに進めよう
サレラリとはパートナーに浮気を「され」て「ラリ」っている状態を指します。サレラリは男性、女性どちらもなる可能性があります。また、人によってサレラリの症状は異なります。特に自己肯定感が低い人はサレラリの症状が強くなりかねません。
サレラリの症状として挙げられるのがパートナーの浮気の詳細を知りたくなる、体・心に異変が不調が出るなどです。パートナーのサレラリを解消するためには、パートナーの不倫で自分を責めないといった取り組みをしましょう。
サレラリを乗り越えて夫婦関係を再構築するのであれば思ったことは伝え合いましょう。
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