性病は基本的に性交渉によって感染する病気です。自分がパートナーとしか性交渉をしていないにも関わらず性病に感染してしまった場合、パートナーの浮気が疑われます。パートナーの浮気が原因で性病に感染してしまったら、離婚や慰謝料請求の理由になるのでしょうか。
この記事では身に覚えのない性病にかかった場合の原因、性病を理由に離婚や慰謝料を請求する方法について解説します。
身に覚えのない性病にかかった場合の多くはパートナーの浮気
自分に身に覚えがないのに性病にかかってしまった場合、多くはパートナーの浮気が原因と考えられます。一般的に性病は病気の原因となる菌を含む分泌液や血液が粘膜や皮膚などに接触することで発症します。
ではタオルや食器の使いまわしはどうでしょうか。タオルの使いまわしで性病にかかるケースは稀と考えられています。性病の原因菌は体内から離れて生きていくのは難しいため、タオルの使いまわしや食器の使いまわし、飲み物を回し飲みなどで性病にかかることは稀でしょう。
また、性病が自然に発症することもありません。そのため、自分では身に覚えがないにも関わらず性病にかかってしまったのであれば、パートナーからの感染が原因と考えられるでしょう。
パートナーが自分以外の相手と性行為またはオーラルセックスをしたことで、性病に感染してしまったと考えられます。
主な感染ルート
パートナーが性病にかかり、自分も感染してしまった場合、考えられる主な感染ルートは次のとおりです。
- パートナーと浮気相手との性行為
- 夫の風俗遊び
- 妻の風俗アルバイト
- パパ活
身に覚えがない性病にかかってしまった場合は、パートナーが上記のような行動をしたことが考えられます。なかには銭湯や温泉で感染したと言い訳をするパートナーもいるかもしれません。
しかし、先述のとおり、性行為やオーラルセックス以外で性病に感染する可能性は少ないため、パートナーの浮気が疑われるでしょう。
主な性病の種類と特徴
パートナーの浮気が原因で自分も感染しかねない性病は次のとおりです。
- クラミジア
- 淋病
- HPV・尖圭コンジローマ
- 梅毒
- 性器ヘルペス
- HIV・エイズ
それぞれの特徴について解説します。いずれの性病もさらに大きな病気につながる可能性があります。
そのため、症状が現れた際は婦人科や泌尿器科等を受診して適正に治療しましょう。
クラミジア
クラミジア(性器クラミジア感染症)は感染者数が多いため広く知られた性病です。クラミジアの潜伏期間は1~3週間ほどとされています。厚生労働省『性感染症報告数』によれば2021年のクラミジア感染者数は1万4,545人でした。特に20~24歳の感染者が多い傾向にあります。(※1)
クラミジアは性器だけでなく、のどや肛門、直腸、目(結膜)から侵入し、症状は男女、部位によって次のとおり異なります。
男性 | 女性 | のど | のど | |
---|---|---|---|---|
症状 | 尿道の軽い痒み, 違和感排尿時の軽い痛み, 精巣上体の腫れ | おりものの増加, 生理時以外の出血, 下腹部の痛み, 性交時痛 | 腫れ, 痛み, 発熱 | 軽度の下痢, 肛門付近の痛み, 肛門からの出血 |
クラミジアに感染しても確実に症状が現れるわけではありません。一部には無症状な人もいます。
症状が出なくても進行してしまうため、感染の疑いがある場合は早めに病院を受診しましょう。
放置しておくと女性であれば子宮頸管炎、男性であれば精巣上体炎などの病気につながりかねません。
(※1)厚生労働省:性感染症報告数
淋病
淋菌と呼ばれる菌に感染することで発症するのが淋病です。淋病は性交渉によって女性の性器や喉から男性の性器に感染してしまいます。男女で次のように症状が異なります。
- 男性:尿道に違和感や痒みがある、尿道炎による痛みを感じる
- 女性:初期は症状がなく、進行すると卵管炎や腹膜炎などにつながる
2021年の淋病感染者数は2,302人とクラミジアよりも低い数ですが、妊娠中に淋病に感染してしまうと、流産や骨盤内感染症、破水などの原因になるため注意が必要です。(※1)
淋病はクラミジアよりも潜伏期間が短く、感染から2〜7日ほどで症状が出るケースが一般的です。
HPV・尖圭コンジローマ
尖圭コンジローマとは男女ともに性器や肛門周辺にイボのようなものができてしまう性感染症で、HPV(ヒトパピローマウイルス)に感染することが原因です。また、口腔内や喉にもイボが発生する可能性があります。
イボに痛みやかゆみはありません。しかし、尖圭コンジローマに感染すると免疫力が低下するため、HIV感染率が高まるとされています。
2021年の尖圭コンジローマ感染者数は2,078人と淋病よりも若干少ない程度です。潜伏期間は約3ヶ月ほどとされていますが、人によってバラつきがあります。(※1)
梅毒
梅毒は2010年代から増加傾向にある性病です。2015年には感染者が760人だったのに対し、翌年には1,386人に増加しました。その後増加傾向を続けて2020年に減少に転じますが、2021年には再び2,717人と増加しています。(※1)
梅毒は性行為、オーラルセックスによって、梅毒トレポネーマと呼ばれる菌が粘膜に付いてしまうことが原因です。
梅毒は感染から約1週間から13週間ほどで最初の症状がでます。梅毒の初期症状は感染が起きた部位のしこりや腫瘍の発生です。その後、手の平や足の裏を含む全身に赤い斑点が現れますが、いずれも自然に消えていきます。しかし体内に菌は残ったままです。
そのため、放置していると数年後に皮膚や筋肉などに腫瘍が発生し、最終的には血管や脳、脊髄などにも障害を与えてしまいます。
性器ヘルペス
性器ヘルペスは性器やその周辺に水ぶくれができる性病です。水ぶくれはかゆみや痛みを伴います。2021年の感染者の数は5,594人と比較的多くの方が感染してしまう性病で、感染から2~10日で症状が現れるのが一般的です。(※1)
性器ヘルペスは単純ヘルペスウイルスと呼ばれるウイルスに感染したことが原因で発症し、⾵邪や発熱など免疫⼒が低下している状態だと再発する可能性があります。
HIV・エイズ
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染することで発症するのがエイズです。エイズになると免疫力が低下してしまい、普段であれば感染しない病原体にも感染しやすくなり、さまざまな病気を発症しかねません。
2022年の新規HIV感染者は632件、エイズ感染者は252件、合計で887件でした。2013年の1,590件を最多に減少傾向にありますが、いまだに発症の報告があります。(※2)
また、潜伏期間が長く数年~十数年、自覚症状がないのが特徴です。
(※2)厚生労働省:令和 4(2022)年エイズ発生動向 – 概 要 –
https://api-net.jfap.or.jp/status/japan/data/2022/nenpo/r04gaiyo.pdf P1
性病を理由に離婚をするには「不貞行為」の証拠が必要
パートナーが浮気をしたことで自分が性病にかかってしまった場合、感染を理由に離婚ができるのでしょうか。
パートナーが離婚を受け入れれば、離婚は成立です。しかし、相手が離婚を認めなかった場合、調停、裁判に発展するため不貞行為の証拠が必要になります。パートナーが不貞行為を認めなかった場合、性病を理由に離婚は難しいでしょう。
性病は稀に性行為以外からも感染するため、性病をうつされたからといってパートナーの不貞行為を指摘することはできません。そのため、パートナーの不貞行為を証明するための証拠が必要です。
風俗通いでパートナーが性病に感染した場合
パートナーが性交渉を前提とした風俗店に通ったことで、性病に感染した場合、不貞行為とみなされる可能性があります。
しかし、風俗通いの頻度、夫婦の関係によっては不貞行為とみなされないかもしれません。
性病をうつされたときに慰謝料を請求できるケース
性病をうつされたことを理由に慰謝料を請求できるのでしょうか。ここではパートナーに慰謝料を請求するケース、不倫相手に慰謝料を請求するケースで紹介します。
なお、不貞行為の証拠を集められれば、性病をうつされたことだけでなく、不貞行為に対しての慰謝料も請求できる可能性があります。
相手に性病の自覚があった場合
パートナーが浮気相手と性行為におよんで、自分が性病であることを自覚していた場合、不貞行為の立証と感染経路の立証ができれば慰謝料を請求できます。
一方、パートナーが性病を自覚していない場合、過失の立証は容易ではないため慰謝料を請求するのは難しいでしょう。このように性病を理由にパートナーに慰謝料を請求できるかどうかは、相手の自覚によって大きく変わります。
傷害罪に問えるケースもある
パートナーから性病をうつされた場合、傷害罪に問えるケースもあります。傷害罪は他人を傷つけた際に問われる罪です。
しかし、次のような条件を満たしていれば、性病をうつされたケースであっても傷害罪に問えるかもしれません。
- パートナーは自分が性病であることを分かっていた
- 相手に性病をうつすリスクを認識しながら性行為におよんだ
上記のケースで性病をうつしてきたのがパートナーであることを証明できれば、傷害罪に問えるでしょう。また、パートナーが性病であることを自覚していなかった場合は、過失傷害罪が成立する可能性があります。
しかし、刑事的責任を成立させるにはパートナーとの性的性的接触と感染の因果関係を立証しなければならないため、非常に困難です。自分とパートナーとの性生活について聞かれたり、事細かな事情聴取を受ける必要もあるため、刑事告訴をする場合は弁護士とよく相談することをおすすめします。
不倫相手に性病に対する慰謝料を請求するのは難しい
不倫相手に対して性病についての慰謝料を請求するのは難しいと考えられます。不倫相手が性病を持っているということは証明しづらいためです。しかし、パートナーと浮気したことへの慰謝料は請求可能です。そのためには、浮気を証明する証拠を掴む必要があります。
探偵への浮気調査依頼で裁判に有利な不貞行為の証拠を掴む
パートナーや浮気相手に慰謝料を請求するため、パートナーと離婚するためには不貞行為の証拠を掴まなければなりません。パートナーの不貞行為の証拠を掴むには浮気調査が必要です。
浮気調査は自分でも行えますが、確実に証拠を集められるわけではありません。そのため、浮気調査のプロである探偵に依頼してみましょう。浮気調査を探偵に依頼するメリットは次のとおりです。
- パートナーに浮気調査をバレにくい
- 浮気相手についても調査できる
- 専門家の意見を参考にできる
パートナーに浮気調査をバレにくい
パートナーの浮気を自分で調査しようとする場合、相手のスマホやパソコンを盗み見ようとするかもしれません。このような行為は、浮気を疑っていることをパートナーにバレてしまう可能性があります。さらにパートナーのプライバシー侵害に該当する可能性があるため、リスクが高いでしょう。
一方、探偵であればパートナーに浮気調査をバレにくいため、スムーズに不貞の証拠を集められます。
浮気相手についても調査できる
探偵による浮気調査ではパートナーだけでなく、浮気相手についても調査可能です。自分で浮気調査する場合、浮気相手の顔は分かっても、住所や本名、会社名までは調べられないでしょう。
浮気相手に慰謝料を請求するには住所や本名も必要なため、探偵に調査してもらうのがおすすめです。
調査報告書を作成してもらえる
探偵に浮気調査を依頼すれば、調査結果を詳しくまとめた「調査報告書」を作成してもらえます。
調査報告書のフォーマットは探偵事務所ごとに異なりますが、「いつ」「誰と」「どこで」「何をした」のか詳細に記載されたものであれば、離婚や慰謝料請求の裁判を有利に進めることが可能です。
ただし、有効な調査報告書を不貞行為を証明する物的証拠があることが前提です。また、探偵事務所によっては簡易的な調査報告書しか作成しない場合もありますので、依頼時に確認しておきましょう。
パートナーの浮気が原因で性病になったら証拠集めを!
自分に身に覚えがないのに性病にかかってしまった場合、パートナーが浮気相手からうつされたケースが考えられます。
性病には淋病のように流産、骨盤内感染症、破水につながる病気や梅毒のように血管や脳、脊髄などにも障害を与えかねない病気があるため、疑わしい症状が出たらすぐに病院を受診しましょう。
パートナーが浮気をしたことで性病をうつされてしまったら、慰謝料を請求できる可能性があります。
そのため、探偵に依頼して不貞行為の証拠集めを進めましょう。
アイヴィ・サービスは多くの浮気調査をサポートしてきました。
尾行や張り込み、丹念な聞き込みによってパートナーの不貞行為の証拠を集めていきます。
調査終了後はアフターフォローとして専門のカウンセリングや弁護士の紹介も実施しています。
パートナーの浮気が原因で性病をうつされた、パートナーの浮気を疑っているという方はぜひご相談ください。